東北大学病院が開発した 弱った腎臓を自力で元気にする方法
発売日2025年4月22日
ISBN978-4-7762-1403-8
価格1500円(税別)
アスコムからの内容紹介
あなたの腎臓は悲鳴をあげていませんか?
腎臓はよくならないと諦めている人、人工透析が心配な人、
そして、「腎臓に不安」を抱えるすべての人に
いまからでも、腎臓寿命は延ばすことはできます。
東北大学病院が開発したこの簡単メソッドで
クレアチン値、eGFR値の悪化を防ぎ、人工透析も回避しましょう!
**********
腎臓のことが気になるあなたへ
「尿たんぱくの量が多いですね」
「ちょっと尿に血が混じっていますね」
「クレアチニンの値が高いですね」
健康診断にて、医師からこのようなことを言われたのをきっかけに、
本書を手に取ってくださった方も多いのではないでしょうか。
腎臓は〝沈黙の臓器〟という異名を持つほどに寡黙であり、
良くも悪くも働き者で我慢強いことから、
かなりピンチな状態にならないとSOSを出してくれません。
ちなみに、その仕事内容を簡単に説明すると、
体の中に溜まったゴミの処理です。
腎臓の機能が落ちるということは、
すなわち体の中にゴミが溢れかえってしまうことを意味します。
ときどきワイドショーでゴミ屋敷問題が特集されていますが、
積み重なったゴミの山だけでなく、
悪臭や害虫の発生といったほかの問題も誘発していますよね。
もしも、それと同じようなことがあなたの体のなかで
起きていたとしたら......。
考えるだけでもゾッとしてしまうのではないでしょうか。
腎臓病はほとんど自覚症状がありません。
後戻りできなくなってしまわないためにも、
早期に発見することが必要です。
そしてもちろん、すぐに治療するに越したことはありません。
むしろ、症状をはっきりと自覚できるころには、
慢性腎臓病がかなり進行しているとも言い換えられるでしょう。
早期発見するためには尿検査による尿たんぱくや尿潜血、
血液検査によるクレアチニンの濃度などが指標となります。
また、一般の方でも「推算糸球体ろ過量(eGFR)」を活用すれば、
腎臓の糸球体ろ過量(GFR)を推定できるので、
おおよそ慢性腎臓病の疑いがあるかどうかを判断できます。
しかし、もっと理想的なことをいえば、
重要なのはそもそも腎臓病自体を発症させないことではないでしょうか。
誰だって病気にはなりたくないし、痛い思いもしたくないですよね。
「そんなニーズに応えたい」
「腎臓のために今すぐにでもできることはないのだろうか」
そんな思いが発端となって開発された画期的なプログラムこそが、
本書で取り上げる「いきいきウォーキング」や「はつらつ筋肉ケア」といった
腎臓リハビリメソッド(運動療法)を中心とした〝腎臓リハビリテーション〟です。
リハビリと聞くと病後に取り組むイメージが強いかもしれませんが、
腎臓リハビリはその限りではありません。
腎機能の回復や維持、腎臓病予防の観点からも非常に効果的であり、
「クレアチニン値が下がった!」
「尿たんぱくが減った!」
「人工透析を回避できた!」
など、多くの事例によって、その有用性が実証されています。
思い立ったが吉日。本書を読んで、
さっそく腎臓リハビリに励んでみましょう。
著者プロフィール
上月正博(こうづき・まさひろ)
東北大学名誉教授。山形県立保健医療大学理事長・学長。
医学博士。日本腎臓学会功労会員、総合内科専門医、腎臓専門医、高血圧専門医、リハビリテーション科専門医。
1981年、東北大学医学部卒業。東北大学大学院内部障害学分野教授、東北大学病院リハビリテーション部長、同障害科学専攻長、同先進統合腎臓科学教授を歴任。2022年より現職。
心臓や腎臓などの内部障害のリハビリテーションを専門とする。2011年・2018年、日本腎臓リハビリテーション学会学術集会長。2018年には腎臓リハビリテーションの功績が認められ、心臓や腎臓の分野に貢献した科学者に贈られる世界的に名誉ある賞「ハンス・セリエメダル」、2022年には「日本腎臓財団功労賞」を受賞。