新版 人は、なぜ他人を許せないのか?
発売日2024年6月5日
ISBN978-4-7762-1354-3
価格900円(税別)
アスコムからの内容紹介
◎ベストセラー、待望の文庫化!
◎この本から「正義中毒」への問題提起が広まりました
◎「怒りに振り回されることが減った」「脳の仕組みから克服のヒントまでわかりやすい」「気持ちが楽になった」など、大反響!
誹謗中傷、炎上、不倫叩き、不謹慎狩り、ハラスメント...
「間違っている人を徹底的に罰しなければならない」
「自分と異なる意見は悪である」
世の中に渦巻く「許せない」感情の暴走は、
脳の構造が引き起こしていた!
人の脳は、裏切り者や社会のルールから外れた人など、
わかりやすい攻撃対象を見つけ、
罰することに快感を覚えるようにできています。
この快楽にはまってしまうと簡単には抜け出せなくなり、
罰する対象を常に探し求め、
決して人を許せないようになってしまいます。
著者は、この状態を正義に溺れてしまった中毒状態、
「正義中毒」と呼んでいます。
これは、脳に備わっている仕組みであるため、
誰しもが陥ってしまう可能性があるのです。
他人の過ちを糾弾し、
ひとときの快楽を得られたとしても、
日々誰かの言動にイライラし、
必要以上の怒りや憎しみを感じながら生きるのは、
苦しいことです。
また、軽い気持ちで発信したことが
誰かの心を深く傷つけ、
取り返しのつかない結果を
招いてしまうという悲しい事象は、
数えきれないほど起きています。
本書では、「人を許せない」という感情が
どのように生まれるのか、
その発露の仕組みを
脳科学の観点から紐解いていきます。
「なぜ私は、私の脳は、許せないと思ってしまうのか」を
知ることにより、自分や自分と異なる他者を理解し、
心穏やかに生きるヒントを探っていきます。
※本書は2020 年1 月に弊社より刊行された『人は、なぜ他人を許せないのか?』を改題し、加筆修正したものです。
著者プロフィール
中野信子(なかの・のぶこ)
1975年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所に博士研究員として勤務後、帰国。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。現在、東日本国際大学教授。著書に『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』『人は、なぜさみしさに苦しむのか?』(アスコム)、『サイコパス』(文藝春秋)、『脳の闇』(新潮社)、『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』(サンマーク出版)など多数。
目次
◎第1章:ネット時代の「正義」-他人をつるし上げる悦び
…SNSが隠れていた争いを「見える化」した
…自分と異なるものをバカにしあう不毛な社会
…多様性を狭めた集団は滅亡に向かう など
◎第2章:日本社会の特殊性と「正義」の関係
…愚かさの基準は国によって異なる
…個人の意思よりも集団の目的が優先される
…日本で集団のルールに逆らうことの難しさ など
◎第3章:なぜ、人は人を許せなくなってしまうのか
…人間の脳は、対立するようにできている
…「リベラル」と「保守」の対立は、脳が引き起こしていた?
…ネット社会は確証バイアスを増長させる など
◎第4章:「正義中毒」から自分を解放する
…「許せない」をコントロールし、穏やかに生きるには
…「昔は良かった」は、脳の衰えのサイン
…老けない脳をつくるトレーニング など